何も知らないオタク、初めての『THE FIRST SLAM DUNK』

未来の私へ、原作を読んでみてどう感じましたか。ここに映画THE FASTを観てほやほや新生児の私の感想を残します。

 

無知人(むちんちゅ)であるこの瞬間を大事にしたいため、Web検索などをせずに書き上げます。登場人物等についての思い違いなどあるかも。

 

導入

これだけロングラン上映されている理由がよくわかる。映画を観る前の私と観た後の私は確実に違うもの。

こんな話だと思っていなくて。

スラムダンクについてな〜んにも知らなくて。信頼するオタクたちが狂っているからオタクとして一回くらい劇場で見ておきますか、って気持ちで行ったの。

 

すごいのが、試合の展開がすごく面白くって。そりゃそうなんだよ、スポーツって面白いんだからさ。スポーツの勝ち負けって面白いわけだよ、だからみんなやってんだよ。

私はバスケの知識が中学校の体育の授業と黒バスしかないから、バスケのルールもまともにわかってないんだけど、すごかったよ。本当にすごかった。オタクすごかったしか言えない。面白かったのよ、試合が!!!

彼らのことについて全然知らないのに、彼らがすっごく頑張ってきたことがバスケを通じてわかるのさ。

 

原作だと桜木花道が主人公だと思うんだけど、今回の映画では宮木リョータにスポットが当てられていて、多分幼少期のエピソードとかは映画オリジナルな気がしているけど、ほんとに観てよかったね。

 

山王工業の子たち

OP見た時、ほんともうどうしようって思ったよね。

OPめっちゃかっこよくて、ラフ画からどんどん人物が描き起こされていく感じだったんだけど、宮木から始まって、湘北の子たちが増えてきて、あ、リョータってソータと年齢差故の体格差だと思ってたけどそもそもリョータは細めなんだってここで思ったりさ、赤髪の子漫画の表紙で見たことあるなとか、思ってたわけさ。

んで、出てきた山王の子たち。やべって思ったよね、みんな丸刈りで顔の判別つかね〜〜〜って。かろうじて7番は丸刈がより刈られていてわかりやすかったけど、他の子たち正直わかんなかったわ。ベンチの子たちも丸刈なのをみるに、多分部活のルールとして丸刈にしてるんだけどやめて〜ってなった。せめて、髪染めて!わかんないよ!

実際、前半終わって後半が始まる時に、湘北が「ここからはまた別の試合だ」っていうわけ。だから私は山王のレギュラーは体力が化け物として有名なのかなって思ったら普通にメンバーチェンジしてただけだったわ。

 

確かによく思い出してみると、だぴょんって口癖の子がいなかったりちょっと顔が濃いめの子がベンチ下がってたりしてたけど、どこで入れ替わった!?ってなったよね、マジック?試合を通して出てたのは、7番、9番、4番の子であってる?

後半から出てきた15番の子、私にそっくりで『頑張ってーーー!』ってめちゃくちゃ心の中で応援しちゃった。ついぞ最後まで一度たりとも良い働きをしなかったけれど。ちょっと補足なんだけれど、この子タッパがあるし、それはバスケをするに際してすごく才能だと思うわけ。

宮木も「俺みたいなチビはドリブルで活躍しなくてどうする!」みたいな感じでものすごくかっこいいドライブ?をきめてるのをみるに、多分身長が高ければ高いほどバスケって有利だと思うんだよ。紫原敦も言ってたし。だからその点で言えば15番はすごい才能を持っているわけさ。でもさ、あのコートの中では才能と技術の化け物たちが蠢いていて、他のコートだったら絶対エースなのに、ほ〜〜〜〜んと15番だけいい働きしなかったんだよ。唯一だよ、プレーに関して他者からダメ出しを顕にされていたのは、15番だけ。(監督からの「下げるなって!」のシーン)

 

私はスポーツ観戦に苦手意識があって、なぜかというとどうしても負けている側に観客が肩入れしてしまうから。それがいいとか悪いとかの判断はできないし、いわゆる「甲子園には魔物がすんでる」がスポーツの面白いところだと思う。

ほんっっっとうに試合がおもしろくて、原作知らないから結果も知らなかったし、後半2分4秒からなんて瞬きできなかったし、心臓がバクバクしてた。

でさ、スラムダンクは桜木が(多分)主人公だから、色々パフォーマンスしてくれるわけ。で、山王は倒すべき相手としてどうしても描写されちゃうの。観客も最後は湘北ムード出しちゃってさ。

でも山王のスタメンも監督も嫌な奴としては描写されていなくて。特にメンバーたち。

すごいよ。だって桜木がさ、「この天才桜木花道が今から山王をぶっ倒す!」って観客に向かって宣言してさ。普通なら腹立つよ。こっちは頭丸めて、バスケで全国一位になるためにすんごい努力もしたし、色々我慢してきたことだって絶対あるはずじゃん。で、結局最後には観客味方につけてすごいプレーを連発してくれちゃうわけ。

私が山王だったら絶対嫌だもん。ダブルドリブルしちゃうやつがいて、「すんません、こいつバスケ始めて4ヶ月なもんで」ってチームメイトに言われてるようなやつがコートにいたら。

でも、笑ってるの。彼ら。

バスケが楽しいって表情に滲み出てるの。すごいよ、本当にすごいことだよ。

私は波風のない人生を送ってきたからさ、彼らみたいに熱を注いだものなんてないんさ。でもわかるよ、彼らはバスケに真剣だって。大好きなんだって。

スポーツ漫画の相手チームって、わりかし勝ちに固執するキャラや監督がいたりすることが多いと思うんだけれど、勝ちとか負けじゃなかったんだよね、彼らにとってバスケって。

そりゃ負けたら悔しいし、絶対勝ちたい。それはスポーツをする上で、あのレベルの子たちは思ってると思うよ。

赤木が小悪魔に囲まれてから「ありがとう」までの、気持ちで山王に負けてたところから気持ちで勝ちにくるシーンで、7番の子がボール取られて笑ってるんだよ。

普通笑わないよ、相手が弱ったらこのまま弱っててよって私なら思うし、ボール取られたら悔しさで顔が歪むと思う。でも笑うんさ。

それって、悔しさがないからだと思うの。ちょっと語弊のある言い方かもしれないけれど。

悔しいって、根幹に「もっとああしとけばよかった」がある感情かなと思うんだけど、多分それがないから山王は笑えるんだよ。(15番は悲しいかな少し他の子たちよりレベルが低いので顔に悔しさや焦りが一生出てたね)

今までの自分は自分ができること全てやったし、このコート上で、自分も、味方も、チームも、万全の状態だって確信できてると思うの。

特に9番はそれが顕著に描写されてたと思う。神前で「神様、俺はできることは全てやりました。あと足りないのはなんですか。俺に経験をください」って宣言するの。これが最後のシーンでめちゃくちゃ効いてて良かったよね。三井がもうヘロヘロで、腕が上がらんってなってるところで根性で3Pを決めるところで9番笑ってんのさ。

何回も言うけど私だったら嫌だよ、3点も入るし、「お前さっき腕上がらんっていっとったやんけ!!!!!!!」って逆ギレしちゃうよ。でもそうじゃないんだよ。まだまだこれから“楽しく”なるぞって顔すんの。

9番と宮木が大人になって?する再戦はすっごい胸熱展開だと思った。こんなことがあっていいんですか。でも、きっとこれはずっとスラムダンクを好きだったオタクはもっともっと心臓がバクバクしたと思う。悔しいよ。私は映画を観るまでスラムダンクにちっとも触れていなかったんだもん。

 

 

湘北ベンチの子たち

ボールよ吸いつけ!ボールよ吸いつけ!!のシーンすごく好きだなって思った。なんて優しい子たちなんだろう。

海燕殿も魂はここ(手)に宿るって言ってたし、桜木は実際パワーをもらってたよ。ベンチの子たちもしかしてBLEACH履修してる?私も混ぜてや。放課後サイゼリアとかで好きな始解台詞の話とかしようよ。あ、放課後は部活ある?そっか。

眼鏡の彼(番号も名前も思い出せない、ごめん)、彼の18年間を思うと涙が出るね。きっと彼はすごく優しい子だと思う。赤木と仲良さそうに見えたし、バスケにも真剣だったと思う。

でもきっと桜木や流川よりも純粋に力がなかったからコートに数秒、数分しか立てなくて。それってすごく残酷なことじゃないですか。でも「残酷さもエンターテイメント」だから(TravisJapan宮近海斗より引用)。彼がいるかいないかで高校生の部活という日常的な、高校生活を送った人間ならほとんど(自分ごととしてじゃなくても)経験のある生っぽさがぐっと際立っていて好きでしたね。

今思ったけど、湘北メンツ桜木、赤木、宮木で苗字あってる?木率高くない?音は合ってると思うけど漢字は違う気がしてきたな。

 

 

湘北メンバーについて

正直この映画で流川についてはよくわからなかった。不良なのか不良でないのかもわからない。

ただめっちゃ笑ったのが試合の中でパスを出した時に「流川がパスを出した!?!?!?」みたいに言われてて、そんな驚くん!?って逆に驚いた。

え、バスケってパスせずにできるんすか?笑

今回の試合で分かったかもしれないけれど、バスケってパスしたほうが楽しいと思うよ。

ブザービート後の桜木とのタッチシーンを見るに、きっとこの1年生コンビが物語の主軸なんかな。面白そ〜〜〜〜

 

三井については多分私は嫌いなキャラだと思う。すまんな、君のことそんなに知らないのに嫌いとか言って。でも宮木を殴っていい理由は君にはないね。

察するに、きっと膝を壊してバスケができなくなった子だと思うの。

ま〜じでびっくりしたんだけど、転校してきて(?)1人でバスケしてた宮木に、声かけて一緒にバスケしてくれた子と同一人物なのね。

宮木びっくりしただろうね、え、このサラサラヘアー、あの好青年なんすか?何が合ったんすか?ってなるでしょ

それこそソータと重なってしまうくらい、優しさが滲み出てたと思うのあの時点では。

たださ、大好きなバスケができなくなったから、まるで今までの自分が死んでしまったように錯覚してしまうような日々を送ったとしても、宮木を殴っていい理由にはならないよね(2回目)。

「その歪んだ眉毛が気にくわねぇ」っていうシーンがあるので、きっと因縁の相手がいると思うんだよ。もしかしたらだけれど、膝を壊した理由がその相手かもしれない。でもさ、宮木を殴っていい理由はないよね(3回目)。そして宮木のバッシュを蹴っていい理由もないよね、貴様には。

多分三井は「先生、バスケがしたいです」(私が知っているスラダンのセリフの1/2)の人だと察する。あなたがバスケしたいのと同様に宮木もバスケがしたいんだよ。そんな子を殴っていい理由は貴様にはない(4回目)。私は正義のない暴力を絶対に許さないマンなので、多分原作読んだら三井のこともっと嫌いになりそう。もし三井が宝くじで100億当てて、日本中の児童養護施設に寄付したとしても、宮木を殴ったことを私は許さないよ。

 

桜木について、さすが主人公だなってパフォーマンスは多かった。彼がこの映画では主人公ではないのに、彼の人生の強い輝きが眩しかったね。(突然のポエム)

私がすっごく印象に残ったのは、安西先生の「あきらめたらそこで試合終了ですよ」(私が知っているスラダンのセリフの2/2)のシーン。

安西先生のセリフがっていうか、その後の桜木の行動がすごく印象的だった。

「『あきらめたらそこで試合終了ですよ』か」って丸々セリフを引用して反芻するんだよね。「『諦めたらそこで試合終了』か」って略して反芻するほうが語感的には自然ではあるのに。なんかそこが私はすごくぐっときた。

多分、桜木はスポンジみたいな人間なんだよ。まだまだいろんなことが吸収できるし、それを自分の中できちんと消化して自分なりに抽出できる子だと思うの。そこには若々しさというか、あまりにも眩しいエネルギーがあった。自分で考えて自分の頭で行動できる子だと思った。

あと若さといえば、背中を痛めたときね!激マブい女の子(マネージャー?)に「今後の選手生命に関わるよ」って忠告された時、あんまりわかっていなくてさ。その後背中の痛みがどんどん増してきて、白目剥いて動けなくなっちゃった時のセリフさ。

安西先生が君の異常には気づいていました、でも私は君を下げられなかった。指導者失格です(それは本当にそう)って言って宥めるんだよ。桜木が悪いんじゃなくて、ベンチに下がるのは大人の責任だよって暗にいうわけ。(それは本当にそう)

その時に「オヤジ、オヤジの人生で1番っていつだ?全日本代表の時か?」「俺は今だ。今なんだよオヤジ」って試合に戻るの。(セリフは曖昧)

もうさ、もしタイムスリップできるなら私は今すぐ10年前に戻って過去の私にスラムダンクを読ませたい。

自分が高校生の時に読みたかったよ!!!!!!!!!!待って私が高校生の時って10年前なの?嘘でしょ?

なんかさ〜〜〜〜〜〜、もう私は大人になってしまったのでさ、桜木みたいに視野が狭くないわけよ。これは桜木をディスってるんではなくてね。高校生って視野が狭いの。

だってさ、生まれてからたった15年ちょっとでさ、しかも自我というかはっきりした記憶なんて10年分くらいで、小学生くらいまでは大人の保護の範囲で生きててさ、自分からいろんなことを選択するのって、たった数年ぽっちだと思うのよ、まだ。

だから人生のピークって今だし、これより先なんて考えられないわけ。まだ子どもなのよ。希望たちの眩しさたるや。(私はこどものことを希望だと思っています。)

 

スラダンについてほんとに無知だから登場人物のこと全然分からなくて、観客席にいた女の子が赤木の妹だったってのめっちゃ驚いたし笑った

 

赤木、赤木な〜〜〜〜〜〜!!!!!!!彼、本当にすごい。

私は学校という空間が奇跡的に自分の社会性と合っていたので、幸運にもあまりストレスなく過ごせていたんだけれど、赤木はしんどさが少なからずあるのだね。だというのに、自分を曲げず、信念を主張する姿は美しいよ。

原作で先輩の小悪魔に囲まれるシーンがあるのか、映画のオリジナルかは分からないけど、あのシーンで赤木のことグッッと好きになっちゃったな。

桜木のところでも書いたけど、まだまだ視野も社会も狭い高校生の彼らにとって学校って“全て”だからさ、意地悪言ってくる先輩のことが本当に本当に多大なストレスだったんだなって思う。

そりゃそうだよ、あんなに堂々とみんなの前で意地悪言われてさ、激昂したっておかしくないし、泣いたっておかしくない。でも受け止めるんだよ、我慢するの。それってすごいことで、高校生でいわゆる大人の対応ができるなんて、すごくできた人間なんだなって感心したの。

「宮木はパスができます」って庇ってくれるのもかっこいい。

でもさ、前述のとおりしっかりストレスは抱えてたのね。それが先輩小悪魔となって現れるわけさ。

私だって人生の中でこの人嫌いだなって思う人は多少いるけれど、その人らが小悪魔となって亜空間で囲まれたことはないよ。どれだけ心が曇らされてしまったんだ。

あまり湘北バスケのレベル感が分からないので言及はできないんだけど、あの先輩みたいに部活ウェイ勢が決して悪だとは言えないのが難しいところだとは思う。あの先輩は自分の発言が他者にどう影響するか想像できない、のうのうと口開け毎日を生きているような私が最も嫌いとするタイプの人間だし、赤木に明確な悪意を向けていたので悪い人間ではある。でもスポーツを楽しむことに重きを置くか、勝つことに重きを置くか、どちらを優先してもそれはどちらも正しい。ただ集団スポーツにおいては全員が同じ方向を向いてないとあのような確執が起きてしまうので生きるのって難しいよね。

だから後輩に宮木や桜木流川が入ってきたという救いがあって本当に良かった。間違いなく赤木は後輩に救われたの。だから出た「ありがとう」なんだよね。

でも後輩ズは1ミリも救った自覚はなくてさ、それって自分の主義主張を通す芯のある赤木にとってすごく嬉しいことだと思うの。後輩ズは同情で赤木に寄り添ったんじゃないんだもん。

 

 

宮木家にはカウンセラーが必要です

なんてことだよ。本当に宮木家がなにしたっていうの。どうして大好きな家族を2人も失わなきゃいけなかったの。

 

私は10年前に戻ってスラダンを読みたいけど、この映画についてはこの歳になって観て良かったなと思う。多分10代の私はお母さんのことひどい親だなって思っちゃったと思う。確かに子ども(リョータ)に対して最善の接し方はできてなかったかもしれない。ソータの服着てるリョータを追い剥ぎしたりとかさ、かなり感情的になっていたシーンもあったよ。

でもさ、無理だよね。1人で抱え切れる悲しみや辛さ、不安じゃないもん。大好きな配偶者と我が子を失って、今まで通り笑って生きていけるわけないよ。

この映画で私は宮木のことがだいぶ好きになっているんだけれど、1番印象に残ったシーンがドリブルや激マブマネージャーとの絡みや洞窟のシーン、ケーキのシーンではなくて、三井に絡まれたとき「そのサラサラヘアーが気に食わないっすね」って言ったシーンなの。

これはスラダンにわか私の解釈なので定かではないんだけど、映画のあのシーンにおいては三井のシルエットとお母さんがヒスった(便宜上ヒスるという言葉を使うね)シーンのシルエットと酷似してるなって思った。

今ではお母さんより背が大きくなったけど、ヒスってた時ってもっと小さかったから見上げるような目線になってたじゃん。三井は大きいから目線もちょうど同じなんだよ。

多分あそこはオシャレパーマ宮木とサラヘア三井の対比なんだけど、絶対意図あるよね。辛すぎて泣いちゃったし、正義のない暴力を決して許さない委員会会長なので三井のことボコボコのボコにしたかった。

 

ブログの導入のとこで書いた「こんな話だと思ってなくて」って宮木が母上様への手紙で『生きてるのが俺ですみませ』って書いて捨てたとこのことなんだけれどもさ....

も〜〜〜〜〜〜〜カウンセリングを受けて!!!!!!!宮木は何も悪いことしてないのにさ、生きていることを謝罪してしまうのって相当なことだよ。君みたいな人間は生きてるだけで偉いの!ことさらお母さんにとっては産まれてきてくれただけで偉いんだよ!エレンのお母さんも言ってたでしょ!!進撃の巨人読んで!!!!!!

それこそ大好きなソータを家族の中で最後に見たのが自分だし、いい別れではなかったじゃん。多分一生心がつまった感覚は続くと思うよ、年月を経て鈍ることはあっても消えることはないだろうね。でも、ソータとリョータを比較してどっちが生きててほしかったって結論を出す人は絶対に絶対にいないよ。

自分に自信持ってって言いたいけど、そう思えるのは簡単じゃないんだよね。自分で解決しなきゃなんだよね。宮木の苦しみや悩みが少しでも晴れてほしいよ...私には願うことしかできない。

宮木はこんなに素敵な人間なのに、私がまっすぐ目を見てでっっっっっっけぇ声で両肩つかみながら言ってやりたいよ「君がいてくれて嬉しいよ!!!!!!!!!!!!」って。

 

ソータを知っている人物がさ、宮木家の前でリョータとソータを比較すんのほんと信じられないよね。あのミニバスの少年の「なんだい、弟はたいしたことないで」やよく分からん後方腕組み彼氏面おじさん‪2人、一時的に声帯失ってほしかった。

リョータがソータの代わりになれないのは当たり前じゃんね。だって違うんだもん。代わりになる必要もないよ。

 

拙者、【名前大好き侍】と申すのだが、ミニバスシーンでリョータが自分という確固たる境界線を脅かされたとき、アンナちゃんが「リョーちゃん!」って呼んでくれて、世界がクリアになったあの瞬間、涙涙でござんした。

そうなんだよ、リョータリョータなんだよ。誰にもそれを脅かさされないでほしい。お母さんとアンナちゃんと僭越ながら拙者も一生リョータのことはリョータと呼び続けるよ。

ところでアンナちゃんのこと大好きすぎる。本人と法が許すのであれば抱きしめたい。

 

リョータが原付?バイク?で事故したとき、本当に五体満足意識もしっかりしていて良かった。これ以上宮木家に何かあったら映画観れなくなるところだった。

事故る時に沖縄が見えたみたいなこと言ってたけど、やっぱり地元が好きなのかな。そうだよね、父と兄と過ごしたのは多分沖縄でしかないもんね。

1人で帰省して洞窟を訪れるシーン、あそこがリョータの成長点であるのは間違いないんだけど、映画スタッフが全力すぎてこっちもできることなら正座して観させていただきたかった。映像の1カット1カットがすごく洗練されていて、生っぽくて、脳髄にぶち込まれた。

 

リストバンドさ、あれはお守りじゃないですか。つまりリョータは守られる存在だったんだよ、事実ソータの面影に良かれ悪かれ支えられてた。

それをお母さんに渡すって言うのは、あの映画の中で、もっと具体的に言えば山王戦を終えて、リョータは守られる存在から守る存在になったんだよね。

端的に言えば成長したってことなんだけれども、試合に行く前に「生きててすみませ__」って言葉にした、言葉にしてしまった子が、こうやって守るという能動的な存在意義を確立するまでに成長するっていうのはあまりにも喜ばしいことだよ。

 

私はさ、たまたま映画を通じてリョータの人生の一部を見せてもらったに過ぎないけどさ、渡米した未来のこともあるし、リョータの人生は美しく魅力的で素敵な輝きがあると断言できるよ。

家族を失ってしまった決して忘れることはできない感情はあれど、リョータリョータの人生を力強く踏みしめていけるんだと確信したね。

 

 

最後に

長々と綴ったとおり、とても素晴らしい映画だった。知り合いのオタク全員に観てほしい。

ストーリーを抜きにしても、3D映像ってこんなに表現豊かにできるんだとたまげてしまった。

色彩とかかなりこだわりを持ってスタッフさんが仕上げてくださったとコメントがあったけど、漫画を表紙くらいしか知らない私でも「原作で見た!!!!」ってなるくらいだった

桜木がみんなを鼓舞するシーンだったと思うけど、肌にちょっと青みがかった陰影がかかっててほんとに3Dなの!?ってなったし、肌の下に血管が通ってる人間の生っぽさがあってめちゃくちゃ良かった。バスケのシーンは3Dモーションとってるらしいしね、本当に楽しい映画だった。

バッシュの音はもちろん、BGMや挿入歌、無音の時間さえも鮮烈であまりにも脳みそへの情報量が多くてシナプスぶっ壊れる寸前だった。

 

一生上映を続けてほしいけど、夏に映画が終わるっていうのがまたエモいよね。

高校の部活って絶対に区切りがあるのもだし、何事も終わるさまは美しさを含んでいるものね。

 

この時代に産まれて良かった!